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越谷ふれあいクリニック
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越谷ふれあいクリニックからのお知らせを掲載してまいります。
下記項目をクリックしますと、項目内容へジャンプします

- 診療時間変更のお知らせ -
- 謹賀新年 -
- クリニック時事放談 -
- 休診日のお知らせ -
- ホームドクター 裸のつきあいでわかる子供の腫瘤 -
- ホームドクター 小児の日帰り手術 -
- 子供のやけど -
- インフルエンザ・パニック症候群 -
- ホームドクター 小児のお尻(肛門部)の病気 -

■ 診療時間変更のお知らせ
令和6年4月1日より診療時間を下記の通りに変更いたします。何卒よろしくお願いいたします。

【診療時間】
月・火・木・金・土曜日:午前9時〜午前12時
            午後2時〜午後6時
水曜日・日曜日・祝日:休診
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■ 謹賀新年
旧年中は、越谷ふれあいクリニックに格別な御指導ならびに御支援を頂きまして心から御礼申し上げます。
お蔭様で無事に昨年10月で開院以来15年目を迎えることとなりました。これも皆様のご協力とご指導のお蔭と感謝申し上げます。11月に、埼玉県医師会より土屋博之が地域医療の貢献で表彰され、大変光栄であります。また本年より根本貴史が院長に就任致しました。今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
本年も皆様にとって健康で、よき年でありますよう、お祈り申し上げます。
平成二十七年 元旦
医療法人三献会 越谷ふれあいクリニック
理事長 土屋博之
院 長 根本貴史
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■ クリニック時事放談
週 1 回定例の税理士先生との昼の会合も終わり,午後の診療開始の準備をしているときでした。2011(平成23)年3月11日午後2時46分,東北地方の太平洋沖を震源地とするマグニチュード9.0の大地震(東日本大震災)の発生でした。 診療室の壁に両手を添えないと立っていられないような強い横揺れで,すぐに職員の出入口を解放し外へ出てみると,道路の対面にある日本家屋が弓のようにしなっていました。その後の甚大なる被害(地震・津波による多くの犠牲者や家屋倒壊,さらに人災も加わっての東京電力福島第一原子力発電所での爆発事故など)は,毎日,テレビ,ラジオや新聞報道で知ることとなりました。
今回の地震による直接の被害は当クリニックでは幸いにもありませんでしたが,地震直後からの東京・関東地域の交通麻痺と3月14日より開始 された計画停電では患者さんに多大なるご迷惑を おかけしました。この無計画ともいえる計画停電 (東京電力管内で行われたもので,当初地域を5グループに分け,グループごとに約3時間前後の停電)は,早くても前日あるいは当日に情報を知 ることとなり,埼玉県越谷地区に位置する当クリ ニックの停電の影響は3月14日,17日,18日,22日,25日,28日の計6回でした。医療機関へ の停電の影響は,レセプトコンピュータの停止に よる外来診療の中断,手術・処置・検査の延期,職員の出勤時間の変更など多大なる支障をきたし,当クリニックもその対応に大変苦労しました。
さて,将来は,今回のような予測できない大災害においてはコントロール不可能な原子力発電に頼らず,代替(自然)エネルギーによる時代になることを願っていますが,さしあたって,2011年の夏および冬での電気消費量の増加が見込まれ,これまで以上の節電(エアコンや冷蔵庫の設定の見直し,補助ライトやテレビの使用を控えるなど)が要求されます。しかし,もし停電が実施されれば診療上,もっとも困るのはレセプトコンピュータおよび付属器機のストップによる受付業務の停止です。この対策として,おそらく計画停電は2〜 3時間と予測されることより約3時間の蓄電設備が必要と考えられます。そこで蓄電による無停電電源装置を準備しましたが,使用する日が来ないことを願っています。
この大震災直後から精神不安やめまいを訴える患者さんが増え,また,最近首都圏の母親に子育てに関するストレスが急増しているとの報道があります。おそらく頻発する余震,停電,被災地の悲惨な被害報道,福島第一原子力発電所事故による放射能汚染(外部・内部被曝,食べ物全般,飲み水など)などによる心配・不安が原因と思われます。当クリニックでは以前より,有線放送で主にクラシック音楽を館内に流しています。その効果を客観的に判断することはできませんが,患者さんには自然と耳に入ってなんらかの精神的・情緒的な安定につながることを願っています。

私事になりますが,60歳前より始めた趣味のクラシックギターは8年目に入りますが,思うように上達しないものの,一歩仕事から離れ気持ちのリフレッシュが得られ,また演奏曲の達成感と喜びを体感しています。さて,タルレガのアルハンブラの思い出,またロドリーゴのアランフェス協奏曲など弾ける日がいつ来るでしょうか?夢です。
従来から言われていますが親子の密接な関係は乳幼児期から大切であり,その橋渡しともなり,子育てに寄与する絵本の読み聞かせが重要と考え,当クリニックでは絵本を充実させて現在150冊以上になりました。写真は外来待合室に設置しています絵本棚と絵本箱です。外来の待ち時間に絵本を通じて親子の微笑ましい光景が見られます。

最後に,今回の大震災で亡くなられた方々,甚大なる被害にあわれた方々に心から哀悼の意を表し,お見舞い申しあげます。当クリニックでも僅かではありますが義援金を日本赤十字社と埼玉県 医師会を通じて寄付しておりますが,一刻も早い効果のある使用を期待しております。震災・原子力発電所事故の対応の遅れは目を覆うばかりですが,被災地域の一日も早い復旧・復興を願わずにはおれません。
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■ 休診日のお知らせ
医療法人三献会 越谷ふれあいクリニックは平成12年に開院して今年で11年目を迎えます。
開院以来、休日無しの診療体制で行ってまいりましたが、10月より祝日は休診とさせていただきますので、ご理解及びご留意のほどよろしくお願い申し上げます。
<< 平成22年10月1日より >>

●診療時間は、今までと変更はございません。
  午前9:00〜午後6:00
  水曜日・日曜日
  午前9:00〜午後1:00
●休診日:祝日
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■ ホームドクター 裸のつきあいでわかる子供の腫瘤
- 土屋博之 -

子供との裸のつきあいの重要性は、最近の家庭内暴力や学校内のいじめ問題だけの専売特許ではありません。本稿では本当の裸のつきあいでわかる子供の腫瘤(しゅりゅう)についてお話したいと思います。 14歳の女子中学生です。本人は1年前よりお腹が大きいことに気付いており、来院時にはあたかも妊娠末期といった具合でした。巨大な良性の卵巣のう腫(らんせいのうしゅ)で 全摘出来ましたが、破裂や悪性を考えるとゾーッといたします。14歳女児という年齢や家庭風呂の普及で、1人で入浴し他人の目に異常なお腹に気付かれることなく経過したと考えられます。
次は、11歳の女児です。4日前に下腹部痛虫垂切除術をうけたが、CT検査で卵巣のう腫が疑われ入院となりました。患者はまだ生理がなく、膣部は膨隆し処女膜が完全に閉鎖されていました。 病気は膣・子宮溜血腫で、処女膜切開術のみでおわりました。これまで両親の離婚後お父さんに育てられ、会陰部の異常や生理に関する相談の機会がなかったようです。
次は4歳の男児です。2ヶ月前よりお腹が痛いと訴えており、食べ過ぎと様子を見ていましたが、入浴中にお腹に硬い物が触れると来院されました。 腎の悪性腫瘍で、全摘出来ましたがリンパ節に転移を認めました。子どもがお腹の痛みを訴える時は直接お腹を触ってください。いつもと違うお腹の状態がわかるはずで、 早期診断・治療のターニングポイントとなります。
最後は2歳の男児です。1ヶ月前よりチンチンが痛いと訴えていましたが、陰茎や包皮に異常がなく様子をみていました。 その2週間後にお父さんが入浴時に陰のう部腫脹(いんのうぶしゅちょう)に気付きましたが、年末であり来院したのは1月6日でした。 睾丸悪性奇形腫で睾丸腫瘍の全摘術がなされました。赤チャン言葉での訴えには広い意味の解釈が、またお父さんが異常に気付いたのですから早く専門病院を受診することが、必要であったと思われました。
以上、「裸のつきあいでわかる子どもの腫瘤」について、最近の例を挙げ、子供に対する日ごろのご両親の観察の大切さを述べさせていただきました。 子どもは子どもなりの表現で必死に訴えているわけですから、見逃しのないように的確に異常をキャッチすることが大変重要と考えます。
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■ ホームドクター 小児の日帰り手術
- 土屋博之 -

Q 5歳男子、ソケイヘルニアで手術予定ですが寂しがり屋で入院が不安です。日帰りで手術できないでそうか。
A ご質問にお答えする前に、まず、子どもの鼠径ヘルニア(外鼠径ヘルニア、よくいわれる脱腸)についてお話したいと思います。子どもの場合は、同じ病名でもお年寄りに見られる筋肉が弱くなって起こる(内鼠径ヘルニア)のとは違い、 先天的なヘルニアのうの残存によります。手術は、男女の差はなく基本的にこのヘルニアのうの高結紮術のみで、手術時間は10分前後と短く、鼠径部の手術創も1センチ弱で術後瘢痕(はんこん)も残りません。 したがいまして手術侵襲や術後疼痛(とうつう)は、日ごろ元気なお子様であれば全く問題ありません。
さて、ご質問についてですが、親子分離される入院の不安や恐怖はしごくもっともな事であり、また、入院期間中の医療費負担、お子様の休学やご両親の休職、院内感染など多くの入院に伴う問題が生じてまいります。 これらの問題を解決すべく、欧米でいちはやく取り入れられたのが、入院することなくその日に手術を行い、その日に帰宅する「日帰り手術」(デーサージャリー)です。 遅れること20年、わが国でもまず小児病院で導入され、最近では人材(医師、看護婦)、設備(手術室、回復室)、条件(医療過疎地域でなく都市部の医療機関)の整った施設で、 鼠径ヘルニアに限らず、陰のう水腫、包茎、停留精巣、良性腫瘤や肛門疾患などに対して日帰り手術が行われています。
ご質問者のお子様に対する日帰り手術は、まさにご心配な問題を解決する最善の方法と思われます。お子様の年齢も5歳と、新生児や乳児の多くの面でリスクを負う低年齢層でもありませんから、 日帰り手術に熱心に取り組んでいる施設であれば、小児外科専門医による鼠径ヘルニア手術は、術前(術前全身チェックと検査)・術中(麻酔専門医によるマスク麻酔下での手術)・術後(鎮静と術後包交)を通じ、 安全に行うことが出来ますのでご安心下さい。
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■ 子供のやけど
- 土屋博之 -

最近の新聞に乳幼児の死因のトップは、浴槽での水死、交通事故、窒息などの不慮の事故で、家庭内でちょっと注意をすれば防ぐことが出来ると呼びかけております。 その一つに小児のやけどもあり軽症を含めると3人に1人が経験しており、その一割が医療機関を受信しております。 やけどの原因には、家庭内にあっては熱源のすべてが原因となり、ポットのお湯、テーブル上の味噌汁やお茶、ラーメン、炊飯器、お風呂などで、屋外にあっては 楽しい夏休みの家族そろっての花火、バーベキュー、キャンプファイヤーなどです。乳幼児はまだ何が危険であるかの判断が出来ませんから、是非一度やけどの原因になる 家庭内や屋外の熱源のチェックを行って下さい。家庭内での熱源は畳や床の上には置かず子供の手の届かない1メートル以上の高さに置くとか、テーブル上の熱性液体をこぼすもとになる テーブルクロスを敷かないなどの注意をしましょう。また、ある年齢までは子供一人でお風呂に入ったり花火で遊んだりすることは避けましょう。
さて実際お子さんがやけどをした時、どのような処置をしたらよいのでしょうか。まず受傷後できるだけ早く局所を水道水で冷却・洗浄を低体温にならないように10分程度はして下さい。 冷却により疼痛は軽快し清潔なガーゼあるいはシーツに包み至急近くの医療機関(外科、小児外科、皮膚科、形成外科)を受診してください。その際家庭にある成分不明な軟膏は使用しないで下さい。 べったりと塗られた軟膏でやけどの程度がわからなくなるばかりでなく、感染も合併するなど、その後の処置に大変困ることが起こります。やけどの評価には、主にその面積と深さに よりますが、表皮に発赤のみのT度熱傷と熱傷面積10%以下の水泡を形成するU度熱傷は軽症とされますが、受傷部感染の合併により深さの程度も重くなります。 皮膚全層におよぶV度熱傷は、皮膚移植や瘢痕形成の問題がおこります。熱傷面積の目安として子供の片上肢は約10%とみられますので、それ以上の面積であれば入院が必要になる可能性があります。
以上、子供のやけどについて述べてまいりましたが、そのげんいんはほとんどがご家族の注意で防げるものである事、また最初の受傷現場でのご家族の処置が大変重要であることを強調したいと思います。
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■ インフルエンザ・パニック症候群
- 土屋博之 -

5年前に小児外科の仲間と開業して以来、小児の患者さんの増加に伴い、毎年12月後半になると今期のインフルエンザの流行に敏感になってくる。 流行の最盛期にもなると診断(鼻腔内鼻汁検査)と治療(薬:タミフル)を求めて患者さんが殺到してくる。2年前には日本唯一の某製薬会社の薬の供給がまにあわず、 さらに迅速検査キットも無くなり、それを求めて患者さんは病院をはしごするという最悪の状況が脳裏をかすめる。今年はその経験から薬の製造・備蓄も完備しているとの報告を受け、 検査キットも確保し、又当クリニック外来患者の80%前後が小児でもあり感染症疾患に対しての外来感染室の2部屋の造設を平成16年11月に完成し、インフルエンザに立ち向かう態勢を整えた。
平成17年1月の中旬になるも大流行の兆し無く、インフルエンザの予防注射受験者の増加の効果もあるのかとほっとしていたのだが、2月に入ると急激に増加し建国記念日の11日前後にはピークとなった。 当クリニックは定点小児感染症疾患の報告をしており毎週その結果報告を受けているが、今期のインフルエンザ流行は過去5年間のうち1番ピークが遅れ最高の頂となった(図)。 当クリニックは午前8時から午後8時までの休日無しの診療体制であり、特に祝祭日における周辺医療機関、特に小児を扱うクリニックは少なく、又夜間患者診療所あるいは救急病院では インフルエンザ検査は施行せず1日の投薬のみという事もあってか、2月11日、12日13日の外来患者数は1日300人以上と異常の数となった(図)。 患者さんは高熱と3〜4時間待ち(目いっぱい努力しても患者を診れる限界があります)でグッタリとなり、外来終了時間も午後11時30分にずれこみ、また当クリニックの終了時間にともない 院外処方薬局は午前0時過ぎとなり、患者さんも医療関係者も肉体的精神的にも限界になっていた。特に、お子さんが熱性痙攣でも起こすとご両親は周章狼狽し、医療スタッフも その処置(酸素吸入、痙攣止め坐薬挿入、点滴など)に追われる。マスコミでインフルエンザの脳炎などの合併症について報道されると、37度台の微熱でも心配で検査と治療を希望し、 特に保育園や幼稚園が終了した午後6時過ぎに殺到する。しかし現在の迅速検査キットでも高熱が出てある程度の時間(経験上少なくとも6時間前後)が経過しないと反応しない。 従って患者さんによっては翌日の再検査となる。又、迅速といっても10〜15分をようし鼻腔内奥の鼻汁採取で苦痛を伴い、お互い大変な思いで検査することになる。
これら一連の状況をインフルエンザ・パニック症候群と名ずけてみました。昨年造設した感染室は、インフルエンザ流行期にはその患者さんがあまりに多く、 その為むしろ非感染患者(乳児検査、主に小児ソケイヘルニアの日帰り手術患者など)用に使用されることになった。今回の爆発的な流行は、2月に入ってからのA型とB型インフルエンザの同時流行と、 印象として予防注射の効果が小児には比較的低かったのではないかなどが考えられる。
さてこの様なインフルエンザ・パニック症候群に陥らない様にするにはどうしたらいいのでしょうか。第一に予防対策です。インフルエンザ予防注射の勧めとより効果のある 注射の改良(お願いするのみですが)、又マスク着用、手洗いやうがいの励行などの一般的注意などです。流行に直接関係すると考えられるのが予防注射ですが、 これが病院によって価格がバラバラで、保険適用は無く多くは3,000円から4,000円の範囲で設定されていると思いますが、小児の場合注射の効果を考え2回注射すると一人あたり 6,000円から8,000円の負担となります。お子さんが多いと、その負担は若い夫婦が多いだけに大きいものがあります。まして、2回予防注射したにもかかわらず、 インフルエンザのA型とB型それぞれに罹患したのでは、どこに恨みをぶつけましょうか?以前ある病院が予防注射をかかえこみ(患者さんを増やし収益をだすため?)注射不足は論外ですが、 より安価で安定した注射供給が望まれます。さらに、院内感染予防で重要なのが外来における感染患者さんの隔離です。 病院の多くは感染部屋が併設されていますが、クリニックでは未だ併設しているのは少ないと思われます。当クリニックも2部屋を昨年11月に造設しましたが、 インフルエンザ流行期には、逆に非感染部屋として利用する状況になった。
第2に現場での対応ですが、患者さんとご家族は不安とイライラで殺気だっていますので、医療関係者は出来るだけあわてず落ち着いて安心を与えるように行動しなければなりません。 しかし今年のようにインフルエンザ流行期になるとお互い疲労困憊し限界に達して来ます。その解決には、医療側として医師のマンパワー、地域医療を担う小児医療機関、財政援助の増加などが 考えられます。どれ一つとっても容易く解決するものではありませんが、医療機関の機能をつくる上で、大学病院は多くの医師を抱え込むのではなく医師の能力にあった 適材適所で独立した医師を養成し、地域医療を担う流れを作っていただきたいと望むものです。
さて、さしあたって来期のインフルエンザ対策はどうしたらいいのでしょうか?残念ながら当クリニックではスタッフ常勤医師の開業もあり、マンパワーの不足から休日無しの診療体制は 継続するものの診療時間の短縮(午前9時から6時)をせざるをえなくなった。この様な状況下ですから、どうかインフルエンザが流行しませんように今から天を仰ぎ祈って、頭を抱えています。
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■ 小児のお尻(肛門部)の病気
  特に裂肛と肛門周囲膿瘍について
- 根本貴史 -

 今回は、小児にもよくみられるお尻(肛門部)の病気についてお話ししようと思います。 よくお母さん方が、“排便時に便の表面またはティッシュに赤い血が付く”とか、あるいは“肛門周囲に赤く膨れあがったおできが出来た”と驚き心配して来院されます。 これら小児の代表的な肛門部疾患である裂肛と肛門周囲膿瘍について、日頃の家庭での予防を含めた注意と治療について述べてみます。
1.裂肛
 いわゆる“切れ痔”ともいわれ、肛門の皮膚粘膜裂傷で、硬い便の通過が誘因と考えられています。 おもに乳幼児に、また女児に多くみられ、12時方向に多く発症します。症状は排便時痛や排便時出血(硬便の表面、オムツや紙に付着)です。また遷延化の場合、 裂傷による肛門縁のしこり(見張り疣)によって気付かれたりします。このしこりを心配して来院され、はじめて裂肛に気が付かれる御両親もおられます。 便秘による硬便にて肛門裂傷をつくり、またそれによる排便時痛のためさらに便秘が助長されさらに裂傷がひどくなるという悪循環が形成されます。 本症の背景には便秘が考えられますので、その治療にあたっては局所療法(清潔と抗炎症性注入坐剤など)と共に、線維質を含む食事や緩下剤の服用によって便性を柔らかく維持して 排便時痛を緩和し、排便習慣をつけることがとても重要となります。
2.肛門周囲膿瘍
 肛門周囲皮下の細菌感染による急性化膿性炎症で、2歳以下の男児に好発し、おもに肛門の3時、9時方向に発赤と腫脹がみられます。放置すると膿貯留、 さらに炎症が進行して自潰によって膿分泌物の排出を認めたりします。したがいまして、多くのお母さん方は排便時あるいはオムツ交換時に、排便時啼泣や 肛門部の所見(発赤、腫脹、排膿)に驚き来院されます。治療は炎症の程度や経過によって異なりますが、局所療法としては抗生剤軟膏や抗炎症性注入坐剤の使用や、 膿瘍形成に対しては切開排膿を要することもあります。また、広域抗菌薬や免疫能賦活作用として漢方製剤の内服もなされます。これらの治療により全身的感染に 広がることなくほぼ完治致しますが、治療後も肛門周囲を清潔に保つことは云うまでもありません。
 小児の裂肛や肛門周囲膿瘍の多くは治癒いたしますが、なかには治癒困難(遷延例や再発例)な場合もあり、その際には専門医(小児外科医あるいは肛門科医)に御相談ください。
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